Story
「彼れは、猫柳というのだそうです――」
突然届いた義兄からの手紙は、そんな言葉で始まっていた。猫柳のこと、空のこと、そして姉のこと。義兄は、穏やかな日々の輪郭を丁寧になぞるように、「わたし」へ言葉を手渡した。「わたし」もそれに応え、小さな思いを書き連ね始めた。そうやって始まったふたりの文通は、次第に熱を帯び、加速してゆく。
ある女性と、その姉の夫との、揺れる距離を手紙を通じて淡く描き出した物語。
characters
「わたし」とその姉の夫。年齢・名前・詳細不詳。
【本編へ】
【long story】