Cu roon


――――煙草を買う時間。
俺はいつもこの時間に、この自動販売機に煙草を買いに来ている。
……俺の好きな人が、この時間にこの自動販売機にイチゴミルクを買いに来ているから。

今日もいつものように買いに行く。

「ちょっと土方さん。脳みそが天国に行ってるでさぁ」
アイマスクを付け直しながら沖田が言った。
「あ゛?天国って何だよ」
立ちながら服をキチっと着直し、自動販売機へ向った。


「おぉ土方クン。最近よく会うなあ」
髪を掻きながら言ってきた。
「んだよ。たまたまだろ」
俺はつい、怒った口調になってしまう。
もう少し普通に接したいと思ってはいるのだが。

こんなこと思ってると俺の好きな人はもう買い終わったみたいだ。
俺は考え事してまだだけど。
「じゃねー土方クン」
手をひらひらと振っている。
俺は、じゃねー、と適当ながらも挨拶をしてくれたのが嬉しくて返事をするのを忘れてしまった。

………こんな短い時間でも楽しいと感じてしまう俺は可笑しいのだろうか?



土方クンは、同じ悩みを抱えている銀色の髪の男の存在に気付かず。

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