Cu roon


――――報われないと分かってるよ。だけど頑張りたいんだ。

「田沼?どうしたボーっとして。せっかく教室まで迎えに来てあげたのに。」
夏目がおーいと手を降りながらこっちを見ている。
可愛くて俺はつい
「何でもないよ。帰ろうか」
と笑ってしまった。
「何で笑ってんだよ」
小突かれてしまった。
でもそんな姿さえ可愛いと思ってしまう。

「田沼ー。おーい。おーい。どしたー?」
帰り道でも叩かれてしまった。
さっきの小突きとは比べ物にならないくらいの強い力で。
「あぁ。ごめん。ってか叩くなよ」
叩き返してやった。
こんな他愛の無い時間がとても好きだ。
でもこんな時間はすぐに終わってしまうものだった。
「おーい。夏目ーー。するめだ、するめを出せ!!」
酔っ払ったポン太が夏目の頭に乗った。
「ニャンコ先生〜飲みすぎはダメだって言ってるだろう」
怒っているように聞こえるがすごくニコニコしている。

……この笑顔が自分の物になればいいのに。今はポン太が羨ましいよ。

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